【塩類泉】の1つ【炭酸水素塩泉】とは?専門家が泉質を説明

嬉野温泉湯けむり公園を流れる源泉
佐賀県【嬉野温泉】の湯けむり公園

温泉の泉質の中で一番好きなものはと言われたら、トロトロ系のモール泉と答えるASUKAです。

そこは炭酸水素塩泉でしょ?

モール泉もほぼ炭酸水素塩泉のことが多いので(笑)

温泉が好きという人の中は、宿泊で温泉旅行に行くのが趣味と言う人が多いですし、泉質にこだわる人も増えてきましたね。

以前の記事で、【塩類泉】【塩化物泉】について説明をさせていただきました。

本記事では【炭酸水素塩泉】について書かせていただきます。

実は【炭酸水素塩泉】は【美人美肌の湯】としても知られています。

一般的に【美人美肌の湯】=【炭酸水素塩泉】だと思っている方も多いですし、間違いではありません。

しかし、実際の【美人美肌の湯】を調べてみると、アルカリ性系の温泉で【炭酸水素塩泉】だけではないことが分かります。

そうは言っても、最初に【炭酸水素塩泉】について知らなければ、【美人美肌の湯】もなにもありませんよね。

 そういうわけで、本記事では【炭酸水素塩泉】について説明をさせていただきます。


訪問した温泉施設が【炭酸水素塩泉】だったという方は、本記事の内容を思い出していただけたら幸いです。


【塩類泉】の1つ【炭酸水素塩泉】を判別
どのようにすればいいの?

泉質が炭酸水素塩泉の温泉成分分析書
【炭酸水素塩泉】の温泉成分分析書

日本国内には、【炭酸水素塩泉】の温泉施設がたくさんあります。

先ほどちょっとだけ出てきたモール泉もですが、それ以外にもいろいろな色の【炭酸水素塩泉】があります。

なぜ色が違うかと言えば、【炭酸水素塩泉】というよりは温泉自体に混ざっている陽イオン成分の影響が大きいです。

陽イオンに何が含まれていようと、【炭酸水素塩泉】陰イオンの成分量で決まるため、みな同じ泉質の扱いになります。

では、最初に【温泉成分分析書】から【炭酸水素塩泉】を判別する方法を説明します。

【単純温泉】の場合、温度が25℃以上であるという前提条件がありました。
【塩化物泉】になると、温度は関係なく成分量によって泉質が決まりました。


【炭酸水素塩泉】も【塩化物泉】と同じく、温泉に含まれる成分量によって決まります。

【炭酸水素塩泉】を判別する前提条件として、温泉水1kg中の温泉成分総量(ガス性のものを除く)が1g以上であることを確認します。 

次に陰イオンの項目にある【炭酸水素イオン】を見ます。

ここで重要なのが【ミリバル%】です。

【塩化物泉】にも出てきましたね。

【炭酸水素イオン】の【ミリバル%】が20以上であれば、【炭酸水素塩泉】になります。

源泉温度は25℃以下でも構いません。

こうしてみると、【塩化物泉】と【炭酸水素塩泉】は、どちらも【ミリバル】を確認するだけでいいのですから簡単ですよね。

では【塩類泉】残り1つの【硫酸塩泉】は、どのようになりますか?


既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、【硫酸塩泉】については下記記事で説明させていただきます。

考えていることが正解かどうかリンク先でご確認ください。


【炭酸水素塩泉】の温泉に入浴するには?

嬉野温泉の源泉を冷やす装置
佐賀県【嬉野温泉】の湯雨竹

結論から言うと【炭酸水素塩泉】の温泉に行きたい場合は、その温泉施設に行くことです。

あたり前と言えばあたり前ですね。

では、どうやって探せば良いのでしょうか。

基本的に宿泊したい温泉旅館をWEBで探してみると、ほとんどの旅館がその泉質について書いてくれています。

私の場合、【美人美肌の湯】と聞くと【アルカリ性系の温泉】と言います。

しかし、ほとんどの温泉施設は、【美人美肌の湯】が【炭酸水素塩泉】と説明しています。

また、海沿いの温泉地には【炭酸水素塩泉】が全くないことが多いです。

海沿いにある場合、塩分が含まれていることが多く、純粋な【炭酸水素塩】より保湿効果が期待できるという女性に嬉しい泉質もあります。

もちろん、山にある温泉地にも【炭酸水素塩泉】があります。

私の住む大分県では、【炭酸水塩泉】の種類が豊富です。

同じ大分県の別府市では、火山を起源とした【炭酸水素塩泉】です。

大分市内は先ほど出てきたモール泉で、黒い色をした【炭酸水素塩泉】です。

竹田市ではやや緑がかったにごり湯で、結構な重さが感じられる【炭酸水素塩泉】です。

温泉のガイド本などで泉質を記載しているものがあれば、それを参考にするのも1つの方法です。


【炭酸水素塩泉】に入浴の際の注意点!
これだけは覚えておこう

炭酸水素塩泉系の手湯
この手湯も【炭酸水素塩泉】系

【炭酸水素塩泉】は、アルカリ性系のものが多く、陽イオンがナトリウムのものも多いです。

正式名称は【ナトリウムー炭酸水素塩泉】です。

簡単に言えば【重曹泉】です。

もちろん、他のマグネシウムやカルシウムが混ざっている【炭酸水素塩泉】もあります。

一概には言えませんが、【重曹泉】の場合、お肌の角質を溶かす効果に期待ができるため、トロトロの肌触りを感じる人もいます。

しかし、角質を溶かしますので、その分保湿が必要になります。

ただし、温泉に保湿成分が含まれている場合もあるので一概には言えません

【塩化物泉】もそうですし、メタケイ酸なども保湿成分が期待できます。

これらが含まれている温泉で、私が個人的に好きなのが、佐賀県にある【嬉野温泉】です。

【嬉野温泉】の源泉には、【炭酸水素塩泉】と【塩化物泉】の両方が含まれており、しかもアルカリ性です。

あくまでも個人の感想ですが、トロトロ感がたまりませんし、湯上りのしっとりとした感触は、【嬉野温泉】ならではです。

いずれにせよ、【炭酸水素塩泉】に入浴した後は、しっかりとした保湿をした方が、お肌には良い効果が期待できます。

また、【炭酸水素塩泉】は飲泉ができるところも多いです。

【嬉野温泉】では、【炭酸水素塩泉】を使用した湯豆腐が名物になっています。

温泉成分で、トロトロに溶けた湯豆腐になります。

冷奴や一般的な湯豆腐と一味違う食感で、独特の味わいがあり美味しいですよ。
興味のある方はいかがですか?

あとは一概には言えませんが、【炭酸水素塩泉】に入浴するとかなりサッパリとした感触が残ります。

そのため、湯冷めしやすいという人もいます。

私個人の感想ですが、【炭酸水素塩泉】は冬場にじっくり入浴してもなかなか温まりません。

夏場にサッと汗を流す程度に入浴すると、何とも言えない爽快感があります。

本記事を読んで、【炭酸水素塩泉】に興味を持たれた方は、近くの温泉施設の泉質をチェックしてみてはいかがでしょうか。

読んでいただいたことで、皆様が温泉について深く知ろうというキッカケになれば嬉しいです。

それでは、「【塩類泉】の1つ【炭酸水素塩泉】とは?専門家が泉質を説明」の記事をここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

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